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AIに長い手順書を渡すと、後ろのほうに書いた注意だけが無視される。そんなケースはありませんか?

AIが指示を無視するのは、手順書が長すぎるからでしょうか?

AIが指示を無視するのは、手順書が長すぎて序盤しか読んでいないからだと思っていました。そこで、各書類の先頭に目次や概要を入れたら直るのか、AIに過去の作業記録を調べてもらいました。返ってきたのは、概要は逆効果の証拠があり、目次は害は薄いが効果も薄い、という答えでした。僕が使っている Claude Code では、長い手順書でも後ろまでちゃんと届いていたんです。届いているのに後ろのほうの注意が守られないなら、その注意は手順書のどこに書いておけばいいのでしょうか?

長い巻紙を持つ島田と、その端を虫眼鏡で読むAIロボット

僕は日々の仕事のかなりの部分を、Claude Code というAIに任せています。

任せるときは手順書や指示書を渡して、そのとおりに進めてもらいます。
ただ、長く使っていると、この手順書がどんどん長くなっていくんですよね。
うまくいかなかったことを、そのつど書き足していくからです。

そうすると、こんなことが起きます。
ある日、伴走担当の社員さんの顔写真を使う作業をAIに頼んでいました。
するとAIから、その写真が「デスクトップから消えた」という報告が来ました。
写真が無ければ作業は先へ進めませんから、一瞬ひやっとしますよね。
ところが、写真は無くなっていませんでした。
前もって、別の場所に複製してあったんです。
しかもその複製先は、AIが読んでいた同じファイルの後ろのほうに、ちゃんと書いてありました。
そこを読み飛ばして、消えたと報告していたわけです。

バインダーの手順のすぐ横へ付箋を貼り直すAIロボットと、うなずく島田
注意書きは、要る手順のすぐそばに置きます

書いてあるのに、守られていないんです。
手順書を育てれば育てるほど、こういうミスが目につくようになってきました。

そこで僕は、AIにこう聞きました。
「指示書や手順書が長すぎて序盤しか読まない、それでミスをする例がやはり多い。各書類の序盤に目次なり概要なり読み進めるポイントを入れたら改善するか」

長い書類の頭に目次を付けるのは、人に読んでもらうなら当たり前の工夫です。
社員さん向けのマニュアルでも、まず目次を見てから、要るページを開きますよね。
AIへの指示書の書き方としても、先頭に目次や概要を置くのは、いかにも正しそうに見えます。
僕も、AIだって同じだろうと素直に思っていました。

AIは、これまでの作業記録を実際に調べたうえで、こう返してきました。
「概要は逆効果の証拠があり、目次は害は薄いが効果も薄い。効いたのは先頭に足す策ではなく、読む工程に頼らない策」

目次でも付けておけば良くなると思っていたところに、逆効果という言葉が返ってくる。
正直、え?ってなりますよね。

根拠は2つありました。

一つ目は、「長すぎて後ろまで読めていない」という見立てのほうでした。
僕が使っている Claude Code は、ファイルを開くと2000行までは一度に返してきます。
うちにある指示書や手順書を調べてもらったら、それを超える長さのものは1本もありませんでした。
長い手順書でも、後ろの行までちゃんとAIに届いていたんです。
それなのに、後ろのほうに書いた注意が守られていないんですね。
手順書をまったく開かずに作業を始める、というミスのほうは、前に入れた関門のあとは起きなくなっていました。
残っていたのは、読んだうえで後ろのほうの行が守られない、というミスのほうだったんです。
もちろん、これは僕の環境で測ったことです。
スマホのAIアプリに長いPDFを貼ったときなどは、また事情が違うかもしれません。

二つ目は、要約がかえって近道になってしまった、という実例です。
僕には、自分の文章の書き方をAIに真似してもらうための手本があります。
長さは453行です。
その手本とは別に、特徴を短くまとめた早見表も置いていました。
人が読むなら、先に要点をつかめたほうが楽ですよね。
ところがAIは、その早見表のほうを通って、手本そのものには入らないまま書けてしまったんです。
実際、手本を冒頭の60行しか読まずに書いた原稿があって、僕は「文体が違いますよね」と戻しました。
同じ発注で、手本を全部読み直してから書いた原稿は、3箇所の手直しで通りました。
比べられたのはこの1回だけなので、いつも必ずこうなるとまでは言えません。
ただ、うちでは、先に置いた要約が、本文を読まずに済ませる近道になっていました。

ここまで聞くと、先頭に目次や概要を足すと何が起きるかが見えてきます。
概要を置けば、AIはそこで分かったつもりになって、後ろの本文まで確かめに行かなくなるかもしれません。
目次のほうは害は少ないものの、もともと後ろまで届いているので、場所を案内し直しても、後ろの注意が守られるようにはならないわけです。

根拠を聞いて、僕も納得しました。
先頭に何かを足す案はやめました。

代わりにやったのは、注意書きの置き場所を変えることです。
よく使う手順書を1本選びました。
講演の録音から動画を作るときの手順書です。
この手順書では、実際の作業でつまずいたことを「落とし穴」として、巻末にまとめて書いていました。
それを一つずつ、その注意が必要になる手順のすぐそばへ移しました。
中身は書き換えず、置き場所を変えただけです。

こうしておくと、AIがその手順を進めているまさにそのときに、目の前に注意書きがあることになります。
巻末まで覚えておいてもらう必要が、そもそも無くなるんですね。

AIが指示を無視すると、長すぎるせいだと考えて、先頭に何かを足したくなります。
その前に、守ってほしい注意が手順書のどこに書いてあるかを、一度見てみてください。

自社でAIに渡している指示書や手順書を、使う場所に置き直すところから一緒にやりたい方は、ai.msup.biz のAI導入サポートをご覧ください。
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うちの手順書は注意書きが巻末にまとまっているな、と気づいたときに、思い出していただければ十分です。

AI活用の実例

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