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指示が短くて済むのは、AIが賢いからではありません。

毎回長い指示を書いている人が、先に用意すべきものとは?

AIに短い指示で仕事をさせるには、上手なプロンプトが要ると思われています。しかし実際には異なります。問題解決ワークの最後に、前日のセミナーの素材で実演したとき、僕が打ったのは一行だけでした。一行で動いたのは、素材の置き場と、名簿と、経緯の資料と、どこに何があるかの目録が、先に家の中にあったからです。指示を磨く前に、置き場を作る。その順番の話です。

整理された棚の案内図を見ながらAIロボットが資料を取りに行き、島田が一行だけの指示を打って見守っている様子

「AIに頼むたびに、指示を長々と書くのに疲れました」

「書けば書くほど、変なものが返ってくるんですけど」
こういう相談、本当に多いです。
今回はその逆で、指示が一行で済んでいる現場の話をします。

問題解決ワークの最後に、実演をやりました。
前の日にチャリティーセミナーがあって、講師の方の講演を音声から書き起こしたものが手元にあったんです。
それを素材にして、僕の環境でAIに仕事をさせたらどうなるか、参加者の皆さんの目の前でやってみました。

僕が打ち込んだのはこれだけです。
「昨日のチャリティーセミナーですが、◯◯さんの音声書き起こしをもらいました。デスクトップに関連資料を置いたので」
あとは「お願いします」と付けただけ。
何を作ってほしいかも、どの資料を見てほしいかも、書いていません。

島田がノートパソコンに一行だけ打ち込み、AIロボットが資料の棚へ向かっている場面
打ち込んだのは一行だけ。資料はAIが自分で見に行きました

で、画面に何が出たかというと、AIがあちこち見に行き始めたんです。
チャリティーセミナーのスライド。
ニュースレター。
貸会議室の伝票。
僕のハードディスクに入っている資料。
オンラインで打ち合わせしながら作った原稿や、その場で作った小さなアプリ。
それからアンケート。
会場の伝票まで開きに行くんですよ。
そんなとこまで見るの?って感じですよね。

そうして出てきたのがセミナーのレポートです。
続けて、その原稿をもとにブログを書くとしたらどうなるか、サンプルも出させました。
読んでみると、台本にない話まで拾って書いてあるんです。
講師の方が台本から離れて話したことが、ちゃんと本文に入っている。
これは書き起こしだけ貼り付けて「まとめて」と頼んでも、出てこない部分です。

ただ、これはAIが賢いという話ではありません。
一行で動いたのは、僕の家の中に、先に置いてあるものがあったからなんです。
順番にお話ししますね。

まずデスクトップです。
講師の方のスライドと、音声書き起こしの本体が、デスクトップに置いてあります。
「デスクトップに関連資料を置いたので」と言えば、AIはそこを見に行く。
どのフォルダの、どのファイルを、なんて説明はいりません。
置き場が決まっているからです。

次に名簿です。
チャリティーセミナーの出席名簿は、事務所側が持っています。
なので書き起こしの中に人の名前が出てきても、誰のことかある程度分かる。
「この人は誰ですか」といちいち聞かれないのは、名簿が先にあるからです。

それから経緯の資料です。
このセミナーをなぜやることになったのか、誰が呼びかけたのか。
そういう経緯は、プレスリリースを出したときの資料として全部入っています。
だから「昨日のチャリティーセミナー」の一言で、何のセミナーか通じるんです。

もう一つ、書き起こしの手順そのものが業務マニュアルになっています。
セミナーの書き起こしをするときの手順書があって、その最初に、読み間違いリストが入っているんです。
音声を文字にすると、人の名前ってだいたい間違えられますよね。
間違えやすい名前を、正しい表記と一緒に先に渡してある。
だから毎回「この名前はこう書いてね」と言わなくて済みます。

こういう置き場を作ったうえで、もう一つ大事なものを用意させています。
「どこに何があるかっていう目録ファイルみたいなやつを置いとくんですね。じゃあ自分で見に行くじゃないですか。それがやっぱりスマホアプリでは絶対できないんで。」
これは当日、僕が参加者の皆さんに話した言葉そのままです。

目録というのは、家の中の案内図のようなものです。
セミナーの資料はここ、名簿はここ、過去のプレスリリースはここ。
それが一枚あると、AIは指示を待たずに自分で見に行きます。
会場の伝票やアンケートまで開きに行ったのは、僕が「伝票も見て」と言ったからではなくて、目録を頼りに自分で探しに行ったからなんです。

ちなみに、こういう仕事のときはスレッドをゼロから新しく立てています。
基本、ゼロからフレッシュにやった方がいいです。
置き場と目録があれば、毎回ゼロから始めても、AIは前回と同じ場所を自分で見に行けるので困らないんですね。

スマホアプリでは絶対できない、と言ったのはここです。
スマホのAIアプリは、こちらが貼り付けたものしか見えません。
デスクトップのファイルも、名簿も、過去のプレスリリースも、向こうからは見に行けない。
だから毎回、必要なものを全部こっちが集めて、貼って、説明して、と長い指示になるんです。
長い指示を書くのに疲れている人は、指示が下手なんじゃなくて、AIが自分で見に行ける場所を持っていないだけなんですよね。

僕が業務で使っているのは Claude Code という、パソコンの中のファイルを自分で開きに行けるタイプのAIです。
ただ、道具を変えれば一行で済むようになる、という話でもありません。
道具を変えても、家の中に何も置いていなければ、AIは何も見に行けません。
置き場を作って、名簿を渡して、経緯の資料を入れて、目録を書く。
その順番が先です。

指示を磨く前に、置き場を作る。
一行で動く家は、指示が上手な家ではなくて、先に置いてあるものが多い家なんです。

自社の中で、どこに何を置けばAIが自分で見に行けるようになるのか。そこから一緒に整えたい方は、ai.msup.biz のAI導入サポートをご覧ください。今すぐ何かを申し込んでいただく必要はありません。まずはご自分の会社で、素材がどこに散らばっているのかを眺めてみるところからで、じゅうぶんです。

AI活用の実例

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