Apple の Siri AI の日本語版が始まりました。
Mac の中にあるファイルも、Siri に聞けば探してくれるらしい。
そう聞いて、僕がまず思い浮かべたのは ChatWork でした。
ChatWork のやり取りは、毎晩取ってきてパソコンに貯めてあります。
2015年3月からなので、もう10年以上になります。
お客様と前に何を話したかを確かめたいとき、いまは Claude に頼んで探してもらっています。
これが Siri に「あの先生と最後に何を話したっけ?」と聞くだけで済むなら、ずいぶん楽になりますよね。
記録の保存場所を iCloud の中へ移せば、Siri で検索できるだろう。
最初はそう考えていましたが、調べてみると、記録はもともと iCloud の中に置いてありました。
それなら、もうこのまま探せるはずです。
で、朝の7時54分から、実際に試してみたんです。

Siri AI で ChatWork の記録を探してもらったら、最初に返ってきた答え
まず Siri に、ChatWork の記録について聞いてみました。
返ってきたのはこうです。
「iCloud Drive 内に Chatwork や .db という名前のファイルは見つかりませんでした」
あれ、と思いました。
記録は毎晩ちゃんと貯まっているはずなんです。
気を取り直して、今度はお客様の先生との直近のやり取りを聞いてみました。
返ってきたのは、メールで届いた通知の話と、AI が書いた作業日誌から拾ってきた話でした。
しかも、年が2024年になっています。
正しくは今年の話です。
肝心の、その先生との本当の直近のやり取りは、最後まで出てきませんでした。
それでも答えの形はちゃんと整っているので、知らずに見たら信じてしまいそうですよね。
Siri AIに話しかけてみると、今度は先生のお名前を別の名前に聞き違えました。
困ったことに、Siri は聞き違えた名前のまま、そのお名前の先生を探し続けるんです。
キーボードで打ち直すと、今度はメモアプリに残っていた内容を返してきました。
質問には、毎回なにかしら答えてくれています。
ところが、僕が探してほしかった ChatWork のやり取りからは、一度も答えが来ていないんです。
Siri AI が読めるファイルと読めないファイルを、どう見分けるか
ここで僕は、ファイルの形式を疑いました。
Claude に書き出してもらっていたファイルは、Markdown という形式です。
Markdown だから、Siri が読み飛ばしているのかもしれない。
そこで、同じ中身のファイルを、Markdown、テキスト、リッチテキストの3つの形式で置いてみました。
結果、テキストとリッチテキストは、中身を読んで答えてくれました。
Markdown のほうは「特定できませんでした」。
やっぱり形式の問題だったか、と少しほっとしたんです。
テキストで置いておけば、これで探せるようになるかもしれない、と。
テキストなら読める。そこで「直近は?」と聞いてみると
テキストのファイルに向かって、「直近は?」と重ねて聞きました。
答えはこうでした。
「最後は10月9日20:11。これ以降はこのファイルに記録されていません」
はっきり言い切ってくれています。
ところが、そのファイルの最後のやり取りは10月27日なんです。
10月9日というのは、ファイルの頭から少し読み進めたあたりにある日付でした。
Siri はファイルの先頭の一部だけを読んで、そこから先の読んでいない分を「記録されていません」と言い切っていたんです。
「途中までしか読めていません」とは、ひとことも言いません。
これには、さすがにゾッとしました。
もしこれが「最後に見積もりを出したのはいつ?」という質問だったら、どうでしょう。
本当は先週出しているのに、AI が「それ以降はありません」と答える。
それを信じてお客様に連絡したら、お客様から「先週もらいましたよ」と言われてしまいます。
こちらは記録を確かめたつもりでいるので、余計に恥ずかしいですよね。
気づけたのは、「直近は?」という、答えが1つに決まる質問をしていたからです。
10月9日という答えが出た瞬間に、手元の記録の最後と突き合わせることができました。
もし「先生とどんな話をしてきた?」とふんわり聞いていたら、それらしいまとめが返ってきて、読んでいない部分があることに僕も気づかなかったと思います。
Siri AI は使えない、と判断するまでの1時間で分かったこと
8時45分に、撤回を決めました。
試し始めてから1時間ほどです。
「使い物にならないですね。このプロジェクトは撤回します」
記録の保存場所を移す作業に手をつける前だったので、やり直しの手間はほとんどかかっていません。
早く引けたのは、答えが1つに決まる質問で確かめていたからだと思います。
AI の「見つかりました」も「ありません」も、どこを読んでそう言っているのかは、こちらからは見えません。
当面、過去のやり取りの検索は、これまでどおり Claude に頼むことにしました。
一方で、同じ Apple の AI でも、この方法なら仕事を任せられた、という話もあります。
そちらは次の記事でお話しします。

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