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Siri AI に仕事の記録を検索させたいけれど、本当に使えるのか迷っていませんか?

Siri AI は使えない? 社内のやり取りを検索させて、1時間で撤回した話

Siri AI の日本語版が始まって、Mac の中のファイルも Siri に聞けば探してくれるようになりました。そこで、ChatWork に残っている10年分のやり取りを Siri で探せないか試してみました。返ってきたのは、メールやメモから拾った答えと、読んでいない部分を「記録されていません」と言い切る答えでした。1時間で撤回するまでに、何を聞いて、どう確かめたのかをお話しします。AI に探し物を任せる前に、使えるかどうかはどうやって見切ればいいのでしょうか?

ノートパソコンに向かう男性が、眉を寄せて横の紙の束を見ている。束は上の数枚だけが光り、隣のロボットは腰に手を当てて正面を向いている

Apple の Siri AI の日本語版が始まりました。

Mac の中にあるファイルも、Siri に聞けば探してくれるらしい。
そう聞いて、僕がまず思い浮かべたのは ChatWork でした。

ChatWork のやり取りは、毎晩取ってきてパソコンに貯めてあります。
2015年3月からなので、もう10年以上になります。
お客様と前に何を話したかを確かめたいとき、いまは Claude に頼んで探してもらっています。
これが Siri に「あの先生と最後に何を話したっけ?」と聞くだけで済むなら、ずいぶん楽になりますよね。
記録の保存場所を iCloud の中へ移せば、Siri で検索できるだろう。
最初はそう考えていましたが、調べてみると、記録はもともと iCloud の中に置いてありました。
それなら、もうこのまま探せるはずです。

で、朝の7時54分から、実際に試してみたんです。

カードとメモ帳を両手に持って見比べる男性と、そばで待つロボット
AIの答えは、手元の記録と突き合わせて確かめる

Siri AI で ChatWork の記録を探してもらったら、最初に返ってきた答え

まず Siri に、ChatWork の記録について聞いてみました。
返ってきたのはこうです。

「iCloud Drive 内に Chatwork や .db という名前のファイルは見つかりませんでした」

あれ、と思いました。
記録は毎晩ちゃんと貯まっているはずなんです。

気を取り直して、今度はお客様の先生との直近のやり取りを聞いてみました。
返ってきたのは、メールで届いた通知の話と、AI が書いた作業日誌から拾ってきた話でした。
しかも、年が2024年になっています。
正しくは今年の話です。
肝心の、その先生との本当の直近のやり取りは、最後まで出てきませんでした。
それでも答えの形はちゃんと整っているので、知らずに見たら信じてしまいそうですよね。

Siri AIに話しかけてみると、今度は先生のお名前を別の名前に聞き違えました。
困ったことに、Siri は聞き違えた名前のまま、そのお名前の先生を探し続けるんです。
キーボードで打ち直すと、今度はメモアプリに残っていた内容を返してきました。

質問には、毎回なにかしら答えてくれています。
ところが、僕が探してほしかった ChatWork のやり取りからは、一度も答えが来ていないんです。

Siri AI が読めるファイルと読めないファイルを、どう見分けるか

ここで僕は、ファイルの形式を疑いました。
Claude に書き出してもらっていたファイルは、Markdown という形式です。
Markdown だから、Siri が読み飛ばしているのかもしれない。

そこで、同じ中身のファイルを、Markdown、テキスト、リッチテキストの3つの形式で置いてみました。

結果、テキストとリッチテキストは、中身を読んで答えてくれました。
Markdown のほうは「特定できませんでした」。
やっぱり形式の問題だったか、と少しほっとしたんです。
テキストで置いておけば、これで探せるようになるかもしれない、と。

テキストなら読める。そこで「直近は?」と聞いてみると

テキストのファイルに向かって、「直近は?」と重ねて聞きました。
答えはこうでした。

「最後は10月9日20:11。これ以降はこのファイルに記録されていません」

はっきり言い切ってくれています。
ところが、そのファイルの最後のやり取りは10月27日なんです。
10月9日というのは、ファイルの頭から少し読み進めたあたりにある日付でした。
Siri はファイルの先頭の一部だけを読んで、そこから先の読んでいない分を「記録されていません」と言い切っていたんです。
「途中までしか読めていません」とは、ひとことも言いません。

これには、さすがにゾッとしました。
もしこれが「最後に見積もりを出したのはいつ?」という質問だったら、どうでしょう。
本当は先週出しているのに、AI が「それ以降はありません」と答える。
それを信じてお客様に連絡したら、お客様から「先週もらいましたよ」と言われてしまいます。
こちらは記録を確かめたつもりでいるので、余計に恥ずかしいですよね。

気づけたのは、「直近は?」という、答えが1つに決まる質問をしていたからです。
10月9日という答えが出た瞬間に、手元の記録の最後と突き合わせることができました。
もし「先生とどんな話をしてきた?」とふんわり聞いていたら、それらしいまとめが返ってきて、読んでいない部分があることに僕も気づかなかったと思います。

Siri AI は使えない、と判断するまでの1時間で分かったこと

8時45分に、撤回を決めました。
試し始めてから1時間ほどです。

「使い物にならないですね。このプロジェクトは撤回します」

記録の保存場所を移す作業に手をつける前だったので、やり直しの手間はほとんどかかっていません。
早く引けたのは、答えが1つに決まる質問で確かめていたからだと思います。

AI の「見つかりました」も「ありません」も、どこを読んでそう言っているのかは、こちらからは見えません。

当面、過去のやり取りの検索は、これまでどおり Claude に頼むことにしました。
一方で、同じ Apple の AI でも、この方法なら仕事を任せられた、という話もあります。
そちらは次の記事でお話しします。

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