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「賢いAIを使いたい。でもコストが怖い」。その板挟みにいる経営者へ。

最上位AIは月60万円? — 人件費並みのコストと「AI内分業」という現実解

最上位のAIを僕の使い方で1ヶ月回すと、60万円は下らない——そんな自社試算が出ました。それでも使うのを諦めたくない。この記事では、窓口とバックヤードを分ける「AI内分業」でコストを圧縮する設計を、実体験からお話しします。

受付ロボットが来客に応対し、奥のオフィスでは複数のロボットが書類整理やパソコン入力などの事務作業をこなしている、AI内分業を表したイラスト

「最新の一番賢いAI、うちでも本格的に使いたい」。そう思って料金を調べて、そっと画面を閉じた方はいらっしゃいませんか。

実は僕も、先日自分の使い方で費用を試算してみて、ちょっと固まりました。1ヶ月フルに使ったら、60万円は下らない。そういう数字が出たんです。

この記事では、その試算の中身と、それでも最上位AIを諦めないための「AI内分業」という考え方をお話しします。結論だけ先に言うと、賢いAIを窓口に、標準クラスのAIをバックヤードに配置する分業で、コストは桁が変わる可能性があります。

月60万円という試算が出ました

まず前提からお話しします。僕は毎日、朝から晩までAIと一緒に仕事をしています。文書の作成、サイトの更新、経理まわりの処理。気がつけば、1日1回は5時間の利用制限に引っかかる程度には使い込んでいます。

で、この使用量をそのまま従量課金に換算してみたんです。

結果は、月60万円は下らない、でした。

あくまで僕の使い方での試算なので、環境によって大きく変わると思います。とはいえ、この数字を人件費に置き換えてみると実感が湧きます。優秀な社員が一人分。普通に考えたら二人分。パートさんなら五人分です。

そこまで価値があるからこの料金設定なんでしょうが、やっぱり費用はビビりますよね。

それでも最上位AIを使いたくなる理由

じゃあ安いAIで我慢すればいい、という話かというと、そう簡単でもないんです。

最上位のAIは、本当に賢い。指示の裏にある意図まで汲んでくれますし、危ない操作の前には自分から立ち止まってくれます。社員が担当している業務も順次置き換えができていく。実際うちでは、この短期間に驚くほどの成果を上げてくれています。

一度この賢さを体験すると、正直、前には戻れません。

でも60万円となると話は別です。社員の代わりも務まるとはいえ、人件費並みに、あるいは人件費以上にかかるコストを前に、気が重くなる経営者は多いですよね。

問題は「全部を最上位にやらせる」設計です

ここで一度、冷静になってみます。

みんな忘れがちなんですが、標準クラスのAIも十分賢いんです。決まった手順の作業、文章の下書き、データの転記や照合。この手の仕事なら、標準クラスでも文句のない品質で仕上げてきます。

ちなみに僕が使っているのはClaude(クロード)というAIで、最上位のモデルがFable 5(フェイブル5)、標準クラスがSonnet(ソネット)という名前です。トークン単価(AIの利用量あたりの料金)で見ると、最上位は標準クラスの3倍以上します(2026年7月時点の公式単価)。

しかも僕の環境では、この最上位モデルを定額プランの枠内で使えるのは、当初2026年7月7日までとされていました。ところが開発元が期限を2026年7月12日まで延長すると発表し、それまでは週次の利用上限のうち最大50%を最上位モデルに充てられることになっています。とはいえ、それ以降は使った分だけ支払う従量課金に切り替わる予定です。冒頭の試算が、急に現実味を帯びてきたわけです。

なお開発元からは、定額プランの枠内へ戻す方向も検討されていると案内されています。ただ、いまのところ時期は未定です。ですから当面は、従量課金を前提にコストを設計しておくのが現実的だと考えています。

つまり問題は、AIの賢さでも料金設定でもなくて、「全部の仕事を最上位にやらせている」という使い方の設計にあるんです。

会社に置き換えて考えてみてください。役員クラスの人材に、コピー取りから請求書の封入までやらせている状態。そんな体制、高くつくに決まっていますよね。

窓口は最上位、バックヤードは標準——AI内分業という考え方

そこでうちで進めているのが、AIの中での分業です。

イメージとしては、窓口や采配は最上位のAI、バックヤードは標準クラスのAI、という役割分担です。

最上位のAIには、3つの仕事に専念してもらいます。

  • ヒアリング。僕が何に困っていて、何をしたいのかを引き出す
  • 課題の設定。やるべき作業を整理して、順番と段取りを決める
  • 作業指示。バックヤード役のAIに渡す指示書を書く

そして実際に手を動かす作業——決まりきった手順の実行、転記、下書き——は、指示書を受け取った標準クラスのAIが担当します。

人間の会社と同じですよね。優秀な番頭さんが采配を振って、実務は現場が回す。AIも同じ構造にすればいいわけです。

分業の成否は「作り込み」で決まります

ただし、これは宣言するだけでは動きません。

標準クラスのAIが遜色なく働けるかどうかは、定型業務をどれだけきっちり「スキル」——AIに渡す業務マニュアル——に落とし込めるかで決まります。質問シートの作り方のような、答えの決まりきった作業ほど効果は大きいです。この作り込みの実務は、別の記事で詳しくお話しします。

もうひとつ、AIに普段から渡しているメモや指示書の整備も欠かせません。古い情報や矛盾が残ったままだと、窓口役がどれだけ優秀な指示書を書いても、現場が迷子になります。こちらも別の記事にまとめました。

この2つをやり切ったうえでの話ですが、うちの見込みでは、月60万円クラスの使い方を5万円ぐらいまで圧縮できるかもしれません。断言はしません。ただ、桁が変わる可能性がある、という手応えは持っています。

まとめ: ゼロ円にはなりません。それでも

最後に正直なことを言います。この方法を使っても、ゼロ円にはなりません。

ですから、これは「とりあえずAIを試してみたい」という段階の方には、まだ早い話かもしれません。本格的にAIでビジネスを次のステップに進めたい。今まで進められなかったプロジェクトを、今度こそ完遂したい。そういう方向けの投資です。

で、その分業の設計図を描くこと自体が、実はいちばん頭を使う仕事なんです。

「うちの業務なら、どこを最上位に任せて、どこを標準クラスに回せるのか」。その仕分けと設計のお手伝いを、私たち AI Team by MeisterSupport がしています。人件費並みのコストを払い始める前に、まずは設計のご相談から。お気軽にお声がけください。

シリーズ「最上位AIのコストと、AI内分業」

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