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うちの当たり役をFableからOpusに替えた日の、社内の書き換え記録。

Opus5の主力化に見るAIのモデル変更で組織のパフォーマンスを上げる方法

Opus 5を主力に据えるというのは、道具を替えることではありません。仕事の割り振り表と、渡し方の決めごとと、社内文書の書き方。この3つをその日のうちに書き換えた話です。

4段の担当表の前で、担当の札を貼り替えている経営者とAIロボットのイラスト

前回、窓際でチェック係をしていた元No.1のOpusが、5になってエースの座に返り咲いた話を書きました。その続きです。

「主力にするって、具体的に何をするんですか」。そう言われました。そのとおりだと思います。道具を替えただけでは、何も変わらないんです。

今回は、うちの当たり役をFableからOpusに替えた日に、社内で何を書き換えたのかという記録です。

僕は新しいものに飛びつくタイプではありません。それでも過去には、道具だけ入れ替えて、使い方を前のままにして終わらせたことが何度もあります。今回はそうならないように、その日のうちに3つ書き換えました。仕事の割り振り表と、AIへの指示文と、社内文書の書き方です。

まず、仕事の割り振り表を書き換えました

うちには、AIの仕事を4段に分けた割り振り表があります。社員に例えると、こうなります。

  • 役員がFable
  • 部長がOpus
  • 社員がSonnet
  • アルバイトがHaiku

どの仕事を誰に回すかを、あらかじめ表にして決めてあるんです。

この表があると、その都度考えなくてよくなります。迷ったら標準。判断が要る仕事なら一つ上。それだけ決めておけば、頼む人が誰であっても同じ配り方になりますからね。

で、今回のOpus 5です。部長が、役員とほぼ同じ働きをするようになりました。だったら表を書き換えないと意味がないんですよね。Fableに置いたままだと、部長でこなせる仕事を役員が全部抱えている状態と同じです。

ここは誤解されたくないので、はっきり書いておきます。これは格下げではありません。値段の安いほうに投げて済ませた、という話ではないんです。同じ仕事を、半分の値段で、同じ品質で出せる相手が出てきた。だから職務を変えた。それだけの話です。

なぜそこまでするのか。Fable一本槍で回すと、枠が持たないからです。うちは定額のプランで使っていますが、それでも上限はあります。なんでもかんでもFableに回していると、一週間どころか、五時間の枠すら持ちません。そうなると、本当にFableでないと困る場面が来たときに、手が空いていないんですよ。

かといって、下げすぎるのも困ります。判断の要る仕事をSonnetに投げると、「これは自分の手に余ります」と止まってくれないんですよ。わからないところを推測で埋めて、そのまま決めて先へ進んでしまう。決めていい範囲と、上に上げるべき範囲。その線を平気で越えてくるわけです。どちらに寄せても事故る。だから線を引き直すという作業が、どうしても要るわけです。

Fableから移したのは6種類です。どれも、少し前まではFableでないと任せられなかった仕事ですよね。後戻りできない作業の、設計の初稿。Sonnetが失敗した案件の引き取り。他のAIに渡す作業指示書の執筆。社内ルールや手順書の改訂。複数のAIを同時に動かすときの司令塔役。それと、創作寄りの判断です。

逆に、Fableに残したのは4つだけにしました。安全装置そのものを変えるとき。外に出て取り返しがつかない作業の、最終確認。Opusが失敗したときの引き取り。大きな監査の、最終まとめ。この4つは、間違えたときの損害が桁で違います。ここだけは値段で考えません。

ついでに下も締めました。決まった手順をなぞるだけの定型作業は、Sonnetに固定です。上に上げる余地を残しておくと、仕事はなんとなく上へ上へと流れていくんですよ。これは経営資源の選択と集中と同じで、あれもこれもと上位に回していると、肝心なところで枠が残っていません。

次に、渡し方の決めごとを7つに増やしました

当たり役を替えても、渡し方が前のままだと事故ります。ここが今回、いちばん時間をかけたところです。

前から使っていた決めごとが4つあります。

一つ目は、報告に必ず証拠を付けさせること。「確認しました」だけの報告は受け取らない、と決めています。どの資料の何行目にこう書いてある、というところまで書かせるんです。

二つ目は、その証拠をこちらが抜き打ちで照合しますよ、と先に伝えておくこと。これが案外効きます。後で確かめられるとわかっている状態だと、いい加減な行番号は書けなくなるんですよね。

三つ目は、「済みました」を鵜呑みにしないこと。送った、登録した、保存した。どれも、もう一度別の手順で取り直して、実物を見てから「済み」と書く。うちは過去に、送っていないのに送ったことになっていた事故をやっています。

四つ目は、書く前に叩くことです。一秒叩けば確定することを、叩かずに断定しない。調べればわかることを推測で埋めてしまうのが、いちばん多い間違いですから。

ここまでが前からある4つ。今回、新しく3つ足しました。

一つは、「よく確認してね」と書くのをやめたことです。これ、前は必ず入れていた一文なんです。ところが今の世代は、言わなくても自分で見直します。そこへ重ねて確認しろと書くと、確認のための確認を始めて、いつまでも終わらないんですよ。真面目な新人に「ちゃんと見直したのか」と何度も言うと、かえって手が止まるのと同じですね。

もう一つは、「重大なものだけ報告して」と書かないことです。これは意外でした。そう書くと、本当にそのとおりにするんです。調べる過程で見つけた小さな引っかかりを、自分の判断で黙って落としてしまう。なので今は、見つけたものは全部出させます。そのかわり一件ずつに、どれくらい確信があるか、どれくらい重いかを添えさせる。選り分けるのはこちらの仕事だと、そう決めました。

最後の一つは、手下を何体まで増やしていいか、その上限を書くことです。今の世代は、人に任せることにやたら積極的なんですよね。放っておくと、調べ役を次々に増やして仕事を配り始めます。段取りとしては悪くないんですが、そのぶん費用は素直に膨らみます。ですから指示文に、増やしていいのは何体まで、と数字で書くようにしました。

4つと3つで、合わせて7つ。たったこれだけですが、この7行を指示文の頭に貼るかどうかで、返ってくるものが全然変わります。

最後に、文書の書き方そのものを変えました

3つ目は地味な話です。でも、たぶん今回いちばん長く効きます。

これまで社内の文書には、AIの世代番号をそのまま書いていました。この作業はOpusの4.8でやること、という書き方ですね。で、今回Opus 5に入れ替えたら、その書き方が全部ひっかかったんです。直さないといけない箇所が、数えたら31箇所ありました。

これは社内規程を、役職ではなく人名で書いてしまったのと同じことなんですよね。担当が替わるたびに、規程のほうを全部書き直す羽目になる。だから書き方を変えました。文書には呼び名だけを書きます。Fable、Opus、Sonnet、Haiku。世代の番号は書きません。どの呼び名が今どの世代を指すのか、その対応表は社内に1枚だけ持ちます。世代が替わったら、その1枚を直せば終わりです。

もう一つ、細かいことですが、成果物の分量の目安も先に書くようにしました。今の世代は、放っておくと出てくるものが長くなる傾向があります。だいたい何字くらい、と先に言っておくだけで、読み返す手間がかなり減るんです。

で、この文書の書き換えそのものを、今回はAIにやらせてみました。その日に社内でいちばん重い仕事です。なにせ自分たちの運用ルールを見直す作業を、当のAIにやらせたわけですから。

やり方としては、調べ役を4体だけ立てて、社内文書のどこに世代番号が書かれているかを洗い出させました。31箇所出てくるまで、約4分です。報告はすべて、どのファイルの何行目にこう書いてある、という引用つきでした。

ただし、31件全部を僕が照合したわけではありません。抜き打ちで3件だけ、実物を開いて突き合わせました。その3件は全部一致していました。正直に書いておくと、確かめたのはそこまでです。

3件一致したから31件全部正しい、とは言えませんよね。だから確認の仕組みは外しません。賢くなったから見なくていい、ではないんです。賢くなったぶん任せる量を増やして、確認のやり方はそのまま残しておく。実際、明らかな作り話は前よりずいぶん減りました。でも、ゼロになったとは思っていません。人を増やしたときに、決裁のルールまで緩めることはしませんよね。それと同じことです。

任せる相手を替えるなら、渡し方の決めごとも一緒に替える。そこをやらないと、いい道具を入れたことが、そのまま事故の原因になってしまいます。

うちでは、この割り振り表も、指示文の決めごとも、まず自分の会社で回してから外にお出ししています。AIの社内ルールづくりから、日々の運用まで。自社でやっていることを、そのままお手伝いしているという形です。どこから手をつければいいかわからない、という段階でも構いません。LINEかお問い合わせから、お気軽にご相談ください。

AIモデルの使い分け

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