「モデルがいっぱいあるんですけど、結局どれが偉いんですか。」
先日、AI活用の合宿でこう聞かれました。「ソネットは使ったことがないんですけど、オーパスみたいなやつもあるんですよね。どっちが上位なんですか」と、続けて質問が来ました。Claudeの画面には見慣れない名前がいくつも並んでいて、初めて触る方からすると、正直どれも同じに見えると思います。
でも実際には、それぞれの役割ははっきり分かれています。この記事では、私が日々の運用で決めている「どの作業をどのモデルに任せるか」のルールを、そのままお伝えします。なお、モデル名や料金、無料期間の情報は2026年7月時点のものです。今後変わる可能性がありますので、その前提で読んでください。
質問はいつも「どれが上位ですか」から始まる
Claudeには大きく分けて4種類のモデルがあります。最上位の名前は、最近登場したばかりです。普通に事務作業ができる、人間の代わりのような存在です。
ただしこのモデル、今後は別料金になる予定です。私くらいの、開発のプロでもない人間が、1日に数時間使う程度のソフトな使い方でも、月に3,000〜4,000ドル規模になりそうだという試算を聞きました。アメリカの人件費の感覚で考えれば、そんなものかもしれません。ただ、無料期間はまだ延長されているとはいえ、この先いつまでも続くとは限りません。一番賢いモデルほど、実は一番油断できないというのが、私の最初の実感でした。
なぜ手作業はソネットに任せて安心なのか
日常の実働を任せているのは、コストの低いモデルです。特徴は、頭が悪いわけではないのに、できない時は素直に止まることです。だから作業員として優秀なんです。
逆に、最上位のモデルは、できなくても何とかしようとしてしまいます。悪気はないのですが、こちらが思っていない結果になることがあります。だから同じ「賢さ」でも、任せる作業の性質が違います。手作業は、素直に止まってくれるモデルの方が扱いやすいんです。
手順書さえあれば、あとは全部ソネットで回る
実際の運用では、コストの低いモデルに直接指示を出すことはほとんどありません。最上位モデルが作った作業手順書ありきで、書いてある通りに動いてもらいます。
それで動かなかったとしたら、原因は作業員側ではなく、手順書を作った側の設計にあります。「こう言ってますよ」と最上位モデルに差し戻す。この組み合わせは、お金を考えなければ十分に回ります。最上位モデル自身も分かっていて、自分で設計したら、後の作業は低コストのモデルをエージェントとして呼び出してやっています。形が決まれば、あとは全部そちらに任せられるということです。
実際、ある取引先のサイト改修では、チャットワークに先方の社長・社員の方・私・事務局スタッフ、それにAI専用アカウントが入っています。最初のZoom打ち合わせだけ人間同士で行い、その議事録を1つ入れました。あとの質問と返答は、ほぼすべてAIが担当しています。質問リストも、画像を選んでもらうための選択肢も、全部AIが用意して、それに基づいてサイトを作り、先方がAIに返事をすると、AIが修正して「こちらご覧ください」と渡す。会話の窓口がチャットワークになっているだけで、仕事を覚える前の新人に手順書を渡して回しているのと、感覚はそう変わりません。
オーパスは「仕事はできないけど文句は言える」担当
チェック専任のモデルもあります。以前は最上位でしたが、その地位は今の最上位モデルに譲りました。
頭は動くのですが、実際に作業をやらせると、できない時に困って新しいアイディアをひらめいてしまい、大体間違っています。ハルシネーションを一番起こしやすいのもこのモデルです。ただし、批判的にチェックする役割は一番得意です。仕事をやらせたらできないけど、文句だけ言えるやつ。あれです。設計の段階で最上位モデルに作らせ、実働は低コストのモデルに任せ、最後の確認だけこのチェック役に見てもらう。この3段の分担が、今のところ一番無駄がないと感じています。
チェックの回数も、以前ほど気にしなくてよくなりました。昔は候補をいくつも出させて比較する必要がありましたが、今は一発で十分な精度が出ます。ただし、このチェック作業を最上位モデルにやらせると、あっという間にコストが溶けていきます。チェックはチェック役に、実働は実働役に。役割を分けておくことが、コストを溶かさないための一番のポイントです。
もう一つ、単純作業専用の超低コストなモデルもあります。コピーを取るような、判断のいらない場面で使うくらいで、私自身はあまり出番を作れていません。
ルールはCLAUDE.mdでなく、仕組みで止める
この使い分け、ルールとして文書に書くだけでは足りません。私の場合、この作業まではコストの低いモデル、ここから上は最上位モデルに頼んでという線引きを、文書ではなく仕組みの側に入れています。
途中で作業を止めて、「これ以上は最上位モデルに聞いてください」という挙動を取らせているんです。文書のルールは、たまに忘れられてしまうので、仕組みの方で強制的に止める形にしています。設計さえきっちりできていれば、そんなに困ることはありません。ただ、その設計が一番難しいから、チェック役や最上位モデルが必要になる。そういう構造です。
改めて整理すると、最上位モデル(Fable)は設計担当、コストの低いモデル(Sonnet)は手作業担当、チェック専任のモデル(Opus)は確認担当、超低コストのモデル(Haiku)は単純作業担当です。冒頭の質問に戻れば、どれが上位かという話ではなく、そもそも比べる土俵が違う、というのが私の答えになります。

こうしたモデルの使い分けや、コストを抑えながら現場で回す設計は、こちらで日々の相談に対応しています。AI Team by MeisterSupportまで、お気軽にお問い合わせください。
