トップ / ブログ / WordPressとAIの入り口
AIに頼む前に、入り口を決めておく話です。

WordPressで「AIにコードを書き換えさせる」と壊れます

WordPressのブログをAIに任せるとき、いちばん怖いのはAIの腕ではありません。「コードごと書き換えて」と頼んだ瞬間に、プラグインが作っている検索用の内部コードと二重になって壊れます。実は僕、ChatGPTで実験して壊しました。一方で、コードには触らずに、記事の説明文4本だけをAIに書き直してもらった実例もあります。どちらの入り口を使わせるかを、頼む前に決めておく話です。

検索エンジン向けの案内板をプラグインとAIロボットが同じページに立ててしまい、ぶつかって島田が額に手を当てている様子

8月の問題解決ワークでのことです。

前の日に、ブログのJSON-LDについて質問をいただいていました。
JSON-LDというのは、Google向けにページの中身を説明しておく内部コードのことです。
会場ではこうお答えしました。

「書いたブログの中で、Googleが見て重要な情報がどこにあるか見つけやすいように内部コードを書き換えてるんですね。『名前はここにある』とか。それを作らないといけないんです」

人間が読む文章とは別に、検索エンジン向けの案内板をページの裏側に立てておく。
そう考えていただければじゅうぶんです。

ページの裏側に立てた検索エンジン向けの案内板を、島田が指さして説明している場面
人が読む文章とは別に、ページの裏側に検索エンジン向けの案内板が立っています

で、WordPressを使っている方なら、検索対策のプラグインを入れてらっしゃると思います。
プラグインというのは、WordPressに後から機能を足す部品ですね。
実はあのプラグインも、同じ案内板を作っています。
ただし書いてあるのは、名前がどこにあるか、タイトルがどこにあるか、その程度です。

一方、AIが記事を書いてAIが管理する場合はどうか。
「これは比較記事です」「これはQ&Aの記事です」「重要な場面はここです」
そこまで全部、案内板に書き込めます。
だったらAIに作らせたほうがいいじゃないか。
そう思いますよね?
僕も思いました。

で、実験したんです。
ChatGPTに頼んで、JSON-LDを追加してもらいました。
結果はエラー。
プラグインが作っているJSON-LDと、ChatGPTが作ったJSON-LDがぶつかったんです。
プラグインが「名前はここ」「タイトルはここ」と案内板を立てている裏で、ChatGPTがもう一枚「名前はここ」と案内板を立てる。
同じページに案内板が二枚。
だからエラーになります。

ちなみにプラグインを入れていない環境では、この衝突は起きません。
AIが最初から最後まで案内板を管理できるからです。
プラグインが先に案内板を立てているところへ、後からAIが割り込む形になったのが問題でした。

だから会場ではこう申し上げました。
「だからChatGPTに『JSON-LDも含めてソースコードを変えてください』ってやっちゃダメなんですよ」

便利そうな話を聞きに来たのに、やっちゃダメですと言われる。
聞いてる側はがっかりですよね。

でも、ここで終わると誤解を招きます。
「じゃあAIにWordPressを触らせるのは危ないんだ」と持ち帰られると、それは違うんです。
壊れたのは、AIにソースコードを書き換えさせたからです。
コードに触らずにWordPressを動かす入り口が、別にあります。

WordPressにはREST APIという窓口があります。
外部のプログラムから記事やメタ情報を読み書きするために、WordPressが最初から用意している正規の入り口です。
ここから入る限り、AIが触れるのはWordPressが「ここは書き換えていい」と決めた項目だけ。
テーマやプラグインのファイルには手が届かないので、AIにできるのは、記事の説明文やタイトルといった決められた欄を書き換えることだけになります。
ソースコードを書き換える、ということ自体が起きようがないんです。

実例をお話しします。
2026年9月、うちのrmms.jpでのことです。
検索結果に出る記事の説明文が、途中で切れている記事がありました。
調べてみると原因は単純で、検索対策プラグインの説明文の欄が「投稿の抜粋」という変数タグのままだったんです。
説明文を自分で書いていないので、本文の冒頭がそのまま流し込まれて、検索結果では途中で切れて表示されていました。

で、AIに4本の記事の説明文を書き直してもらいました。
直したのは、検索結果に出る紹介文の欄だけです。
サイトの仕組みを動かすコードには、手を付けていません。
このときは管理画面から直しましたが、同じ日にAI用の窓口も開けたので、次からはそこから直せます。
直したあとも、サイトはいつもどおり表示されていました。

同じAIに同じサイトを触らせて、ChatGPTは壊れて、業務用AIを使うと無傷。
違いはAIの賢さではなく、正しい使い方を知っているかどうかなんです。

「JSON-LDも含めてソースコードを変えてください」と頼めば、ChatGPTは頼まれたとおりにソースコードを変えます。
そこはAIの落ち度ではありません。
入り口を指定しなかった、こちらの落ち度です。

なので、WordPressのサイトをAIに任せるときは、何をさせるかより先に、どの経路で触らせるかを決めてください。
コードを書き換えさせるのか、窓口からメタ情報を更新させるのか。
これを先に決めておけば、頼む内容が何であれ、プラグインとぶつかるかどうかを毎回心配しなくて済みます。

WordPressのサイトをAIで安全に運用する経路を、最初に用意しておきたい。
そういう方には、ai.msup.bizのAI導入サポートという窓口があります。
まずはご自分の環境で試してみて、詰まったときの相談先としてお使いください。

AI活用の実例

関連記事